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平成26年3月策定
七尾市は能登半島中央部に位置し、陸上・海上の交通結節点として、古代から、能登の政治・経済・文化の中心であり続けています。また、穏やかで湿潤な気候のもとに豊かな生態系が築かれ、自然と共生する「能登の里山里海」文化が育まれています。これらの歴史や自然を背景として、人文・自然にまたがる多くの資料が蓄積されています。
これら七尾市民の貴重な財産である資料を後世へと確実に伝えるために、資料を適切に管理し、活用する環境を整える必要があります。
七尾市の歴史的・地理的環境をふまえ、博物館は、能登への玄関口として、能登と七尾について一元的に知り、学び、発信する「能登・七尾の知的交流拠点」としての役割を果たします。
博物館は、能登・七尾の豊かな自然環境と歴史・文化から生み出された農林水産業と、それに関連する生活文化や暮らしをはじめとするアイデンティティを保全・継承し、活用する「文化継承・活用拠点」としての役割を果たします。
子どもたちをはじめ、市民ひとりひとりの自主的な学びと自己実現のための学校教育・生涯学習の場として、また、多様な学習機会の創出を図る市民の「人づくりの拠点」としての役割を果たします。また、博物館活動への主体的な参画により、市民の学習活動が活発になることも期待されます。
能登立国1300年の暮らし(自然、歴史・文化)の価値をふまえ、1000年の未来を創造する博物館
七尾市は、古代・中世~近世・現代まで、能登の政治・経済・文化の中心地であり続けています。能登が養老2年(西暦718年)に立国してからおよそ1300年が経過していますが、立国以前から先人達は価値ある暮らしを営んできました。
能登の先人達の暮らしは、能登半島独特の穏やかな気候と地形が生んだ豊かな環境のうえに築かれており、七尾の自然と1300年の歴史・文化を知ることが能登の暮らしの価値を知ることにつながります。また、能登・七尾の暮らしの価値を受け継ぎ、活かすことで、次の1000年の未来を創造し、発展させることが期待されます。
このため、能登の歴史的・地理的中心である七尾市に、能登の暮らし(自然、歴史・文化)の価値を知る知的交流の拠点としての「総合博物館」を整備します。
能登・七尾の自然、歴史・文化と、それらに立脚する人々の暮らしの価値を、正しく「伝える」展示や学習プログラムの提供、情報提供を行います。
展示・情報発信機能:能登・七尾を正しく知る魅力的な展示、より深い能登の魅力へと導く案内機能
能登の暮らし(自然、歴史・文化)を、体験、参加、遊びを通じて、楽しみながら「学ぶ」機会を、学校教育や地域学習活動との連携によって提供します。
市民が博物館運営に参画する機会を提供しながら、地域の価値に目をむけるきっかけを作り、地域への愛着と誇りを育む拠点となります。
教育・交流機能:体験などを通じて能登を知る・学ぶ場
七尾の貴重な資料を、市民の共有財産として、安全かつ確実に保存する設備とスペースを確保し、後世へ向けて貴重な資料を「守る」拠点となります。
収集・収蔵機能:貴重な資料を後世に継承する収蔵
博物館は能登の玄関口として機能すると同時に、能登の文化施設とのネットワークの要となり、多くの人が集まり、広い「交わり」をつくるきっかけとなるにぎわい拠点となります。
教育・交流機能:にぎわいを創出する交流機能
子どもを含む市民の研究活動のほか、各種活動の連携の場となり、能登・七尾について深く「究める」拠点となります。
調査・研究機能、閲覧・レファレンス機能:能登歴史公園
博物館面積:約3,000平方メートル
収蔵スペース:約4,500平方メートル
運営形態には、「直営方式」、「指定管理者方式」、「PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」などが考えられます。今後、石川県など関係者と協議を行うこととします。
博物館は、博物館法上の博物館である「登録博物館」、それに準じた法制上の扱いを受ける「博物館相当施設」、博物館法の適用外となる「博物館類似施設」の3つに区分され、区分ごとに職員数などが定められています。本施設についても、博物館種別の検討を行った上で、組織形態について検討する必要があります。
能登立国1300年となる節目の年となる節目のである、平成30年度のオープンをめざします。
しかし、交通アクセス環境整備や能登歴史公園の整備後、検討や準備作業の進捗を勘案し、できる早い時期のオープンをめざすこととします。
【検討内容】
博物館の必要性とそのあり方に関する基本的な考えをまめた「博物館基本構想」をふまえて、今後は、博物館の具体的な検討を重ねて、「(仮称)博物館基本計画」を策定します。
「(仮称)博物館基本計画」の策定に向けて、下記の検討を行います。
【検討体制】
「(仮称)博物館基本計画」の検討にあたっては、市民代表や有識者、外部アドバイザー(学識者や関連博物館の代表者など)、行政関係者で構成される基本計画検討委員会(仮称)で検討・協議します。
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